嘉永4年,酒作りの地で有名な京都市伏見区に『武田家』は酒商として誕生します。時は幕末・・・あの坂本竜馬が暗殺された『寺田屋』が,直ぐ近くにあります。歴史の重みにしばし触れることの出来るところにあります。

京都の町屋は年々姿を消しています。お年寄りが亡くなった後”相続税”があまりにも高いのです。そんな中にあって武田さんは『この古き良きもの』を残していきたいと数年前に全面改装され,一般の方々に開放されています。

今回玄関のあかりを依頼された私はこの町屋の雰囲気を生かすべく,『炭化焼き締めのあかり』を考案しました。表札の入る穴を開けての焼成でしたから高温時に垂れて形が崩れないか心配しました。何とか形,色とも良く上がりました。次はいかに格好よく,風などにも負けないような取り付けがあるか,それが課題でした。
今回は軒材木の裏側から特殊な金具でボルトを吊り下げる方式をとりました。いつも協力してくれる信楽の鉄工所に作ってもらいました。
電気工事はお得意のもの。取り付けをしていますと家の裏からとても心地の良い風が吹き抜けます。風がとおることで家屋を湿気から守る・・・いやはや,”昔の職のわざ”にはいまさらながら頭が下がる思いです・・・
取り付けは夕方近くに終わりました。(^^;) どれ,暖簾をくぐって中を見せてもらいましょう・・・・
『武田家』つづき・・